ごめん、キミが好き《短編・完結》
タクマが家に来てすぐ、ママから言われた事。
「タクマ君、きっと将来素敵な男に成長するわよ〜。」
天井を見上げてママがうっとりする。
「ねえママ、タクマがね、私を将来お嫁さんにするって言ってくれたの。私、タクマがずっと側に居てくれたら幸せだなぁ…。」
思い出してニヤニヤしながら、私ばママもそう思わない?゙って言おうとしたら…
ママは急に真剣な顔で言った。
「ユイ、だめよ。タクマ君は大きくなったら家を出ていくから…悲しいけど、タクマ君に恋しちゃだめ。」
意味が分からなかったけど、子供ながらにタクマと私の将来は、ないんだと分かった。
「タクマ君はまだ幼いから、この事は話してはいけないわ。ユイ、約束守れる?」
「分かったよママ。」
それでも、成長するにつれて、私達はお互いに強く惹かれ合ってしまった。
タクマの甘い言葉は、どんどん私を夢の中に引き込んでいく。
もしかしたら、タクマと私の未来が開ける時が来るかも。
なんて。