ごめん、キミが好き《短編・完結》
「タクマ…ありがとう…本当に…。」
私の事を考えて、詳しい話は明日にして欲しいなんて警察官に食い下がるタクマの横顔を思い出した。
私を真剣に大切にしてくれてるって実感した。
「大丈夫?ケガしてない?」
「うん。ケガはないよ。」
男が倒れてからずっと、タクマは私の心配をしてくれてた。
手を繋いで帰る家までの道。
「どうしてタクマは私に気付いたの…?てゆうか、なんであんなトコに…?」
「迷ってたんだ。ユイを迎えに行こうか…もう諦めるか。」
「タクマ…。」
今日もまた、私の歩幅にゆっくり合わせてくれる。
「でも、ユイが帰ってくる気がしたんだ今日は。遅くなってごめん。危ないの分かってたのに。」
タクマの手のひらに汗が滲んでる。
「ううん…。本当にありがとう。助かったよ。」
ゆっくり歩いたから、ずいぶん時間がかかったけど無事に家に到着。
「ユイ、少しだけ話がしたい。」