ごめん、キミが好き《短編・完結》
コンコン――
静まり返った私達の家。
静かなままのタクマの部屋を、もう一度ノックする。
返事はないけど、私は勝手にタクマの部屋のドアを開く。
真っ暗なタクマの部屋には、窓辺にシングルサイズのベットがある。
そっと覗き込むと、タクマが眠っていた。
寝顔は、昔から変わらないね。
可愛い。
「タクマ…?」
タクマが眠っていて、反応が返って来ない事を確認する。
ドキドキドキドキ―…
タクマが側に居る時は、いつもこうなる。
ドキドキ、私の胸はいつでもタクマでいっぱい。
こんなに好きなのに…。
私はベットに軽く腰掛けて、スヤスヤ眠るタクマの寝顔をじっと見つめた。
涙が滲み出て、視界が歪むのをなんとか堪えた。