ごめん、キミが好き《短編・完結》
「ユイは…それでいいの?」
ゆっくり瞬きをして、タクマの視線が私と重なった。
「それがいいと思う。」
「俺ね、父さんが頭を下げた時、実は一瞬だけ行ってもいいかもなんて思ったんだ…。」
「うん。」
さっきから、怖い顔をしていたタクマが笑った。
「俺、行くよ。父さんと一緒に。」
その時のタクマの本当の気持ちは分からない。でも、今まで見てきた中で、ものすごく頼もしく見えた。