ごめん、キミが好き《短編・完結》
あれから約10年。
カチャ―…
17歳の男が、ノックもしないで、他人の部屋…ましてや女の部屋に入るのは、紳士的ぢゃないかな。
でも、これは俺にだけ許されてる特権だ。
時計は朝の6時を過ぎた頃。
静かに部屋に入ると、真っ白なベットには…
赤ん坊みたいに可愛い寝顔を無防備にこっちに向けてるユイがいる。
「ユイ、起きて?」
ベットに手を付いてユイの細い肩を揺する。
「う〜……ん〜。」
寝起きが悪いのはいつもの事。
俺が何度か声をかけると、やっとユイの目がぼんやり開く。
「ユイ、おはよう。」
そう言って俺はユイの唇にキスをする。
びっくりして顔を赤くするクセに、すぐそれを隠して俺を叱るユイが、愛しくてたまらない。
これが、俺の日課だったりする。
ユイに触りたい。
ずっと触っていたい。
いつだって、ユイの側にいたい。