ごめん、キミが好き《短編・完結》
いつも子供扱いされてるのは、分かってた。
高校では何人かの男と付き合ってたのも分かってた。
でも、ユイは俺を特別大切にしてくれてた…と思う。
確かに俺たちは、惹かれ合ってた。
なのに…前にもユイが俺から離れようとした事があった。
だから、あの時俺は、無理矢理ユイを奪ったんだ。
―――――――――
ガチャガチャ―
キィ―
パタン―
そんな物音で、朝5時に俺は目が覚めた。
短大生になったユイが、初めて朝帰りをしたからだ。
部屋を出ると、ちょうど階段を登ってきていたユイは…
少しの酒の匂いと、俺の知らない香りがした。
「ただいま。」
少しだるそうに言葉を発するユイ。
「…おかえり。ユイ、お酒くさい。」
「あは…。お風呂入ってくる。」