ごめん、キミが好き《短編・完結》
失うもの
ユイから、今の関係を終わらせるなんて言われたのは、ユイを抱いた直後だった。
どうしてこのタイミングなんだよ…。
もうすぐ俺の誕生日。
やっとユイに一歩、大人に一歩近付けるのに。
あの男と付き合うなんて。
『もう一緒にいられない。』
これがユイの本音なのかな…?
何も言えなかったんじゃない。言わなかったんた。
今…口を開けば、子供みたいにユイを困らせて…部屋に閉じ込めてしまいそうで。
ユイは静かに俺の部屋を出て行った。
最近ユイの様子がおかしかったのは、俺から離れたかったから…なんだね。
どうしようか。
俺はユイがいなくちゃココにいる意味がなくなる。