ごめん、キミが好き《短編・完結》
「…カオリ、ごめん。俺…忘れらんない人がいるんだ。カオリとは付き合えない。ごめんね?」
ユイは、甘えてくるタイプって言うより、やさしく冷静な人だった。
そんなユイの、唯一自然に甘えられる存在になりたかった。
カオリと同じ時間を過ごして分かったんだ。
俺は、結局ユイしか愛せない。
肌に触れてもキスをしても、ユイとした様に熱くならない。比べてしまう。
俺のすべてはたった一人のために出来てる。
ユイを失った事は、俺にとってかなり大きな事なんだ。失うものが大きすぎる。
俺に触れてた手をスッと離すと、カオリが口を開いた。
「ずるいよタクマ…。」
俺は申し訳ない気持ちでカオリと目線を合わせない様にした。
「ごめん。」
「そうじゃなくてー!」