ごめん、キミが好き《短編・完結》
「え…?」
カオリが不機嫌そうに俺を見る。
「忘れられないんじゃなくて、忘れる気がないんだもん!
…そりゃ昨日の今日だしね…。
「ダメだったんなら次!忘れたくないならとことん行くのー!」
拳をきかせて力説してきた。
「カオリ…。」
「今タクマがどんな状況かなんて分かんないけどさ…、男ならスッキリさせようよ?」
『じゃなきゃ私もフラれた甲斐がないもん。』
カオリは恥ずかしそうにそう言って、笑って帰って行った。
『ありがとう。』
俺もそう行ってカオリを見送った。
スッキリさせろ…か。
中途半端な自分に苛立って、唯一本気で話せる友達のタケルに連絡を取った。