ごめん、キミが好き《短編・完結》
決心と決断
諦めようと思っても、夜遅い時間になるとユイの帰りを待つ自分がいて…。
「はぁ…なんだよ俺…。」
ベッドに倒れ込みながら、女々しい自分に嫌気がさす。
それでも、夜中の一人歩きは危ないんだ、なんて言い聞かせてユイを駅まで迎えに行こうか迷っていた。
(ユイ…)
実際、ぐだぐた悩んでも仕方ない。
好きなものは好きなんだ。
俺は上着を取って玄関の扉を開けた。
もうユイを困らせたくない。
俺の引き際だ。
そんな事を考えて歩いてると、ユイの声が聞こえた気がした。
微かだけど、ユイだ。
俺は、状況も全くつかめなけど声が聞こえた方に向かって走った。
ユイに何かあったんだ。そんな気がする。
すると、細い路地に吸い込まれていくユイを見た。
「ユイ!!」
ユイが泣いてる。
その瞬間、俺はユイの腕を掴む男を殴っていた。