極上御曹司の純愛〜幼なじみに再会したら囲い込まれました〜
「運命といえば、むかし美詞が俺のこと庇ってくれたの覚えてる?」
「え?」
「ほら、俺の左腕に痣があっただろ」
「……そういえば」

小学生の頃みんなが半袖を着ていた夏、朝日くんは一人暑いなかでも薄い長袖を着ていた。

私は特に気にもならなかったが、それを見た同級生たちが『長袖ばっか着て寒い国で生まれたやつはいつも寒いのか』と揶揄い半分でいじめていたことがあった。

彼は確か母親が北欧の人で日本人の父親との間に生まれたハーフだった。
初めはそのいじめに耐えていた朝日くんも、あまりの揶揄われっぷりに反発して半袖を着て登校した日があった。

珍しく半袖姿をした朝日くんだったけれど、左上腕に星型にも似た薄くて茶色の痣があるのが見えた。

それを隠すため長袖を着ていたのだが、痣を見た同級生たちは『こいつトゲトゲのタトゥーしてる! 眼の色と同じで気持ち悪いっ』とさらにいじめがエスカレートしてしまった。

見ていていい気がしなかった私は『いいかげんにしなよ! 人を揶揄って何がおかしいの?! そうやって皆と違うからっていじめてるあんた達の方がよっぽど気持ち悪い!』と強気で言い返してやったのだ。
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