極上御曹司の純愛〜幼なじみに再会したら囲い込まれました〜
「あ、いえ、あの……」
「実は今朝がた、転職先の担当者から天河さんを引き抜きたいと連絡が入ったんだ。突然のことに驚いたけど、キミの代わりに保育士三名とあと高額の……んんっ! 善意の寄付をしてくれることになってね。だから先方の希望通りいつでも退職してくれていいよ」
——絶句。
昨日の今日ですでに私が退職する方向で話がまとまっているうえ、私の代わりの人材と寄付まで話が進んでいるなんて。
って、それより園長色々と簡単すぎじゃない!? いつでも退職していいって人を何だと思ってるの!
となぜか園長に八つ当たりの怒りが収まらず、その日の帰りは歩きながら朝日くんの横暴な提案にどうすべきか考えていた。
彼はきっとお金持ちの気ままでこんなことを言ってきたのだ。
私が落ちぶれた家具屋の娘だとか両親が苦労して大学まで出してくれたことなんて知りもしない。
突然思いついただけで自分の思い通りに人が動くような世界で生きてきて、他人の痛みなんて分からないんだろう。
「ちゃんと断らなきゃ」
鞄からスマホを取り出し朝日くんに電話をかけると、三コール目で低くて艶っぽい声が耳元から聞こえてきた。
「実は今朝がた、転職先の担当者から天河さんを引き抜きたいと連絡が入ったんだ。突然のことに驚いたけど、キミの代わりに保育士三名とあと高額の……んんっ! 善意の寄付をしてくれることになってね。だから先方の希望通りいつでも退職してくれていいよ」
——絶句。
昨日の今日ですでに私が退職する方向で話がまとまっているうえ、私の代わりの人材と寄付まで話が進んでいるなんて。
って、それより園長色々と簡単すぎじゃない!? いつでも退職していいって人を何だと思ってるの!
となぜか園長に八つ当たりの怒りが収まらず、その日の帰りは歩きながら朝日くんの横暴な提案にどうすべきか考えていた。
彼はきっとお金持ちの気ままでこんなことを言ってきたのだ。
私が落ちぶれた家具屋の娘だとか両親が苦労して大学まで出してくれたことなんて知りもしない。
突然思いついただけで自分の思い通りに人が動くような世界で生きてきて、他人の痛みなんて分からないんだろう。
「ちゃんと断らなきゃ」
鞄からスマホを取り出し朝日くんに電話をかけると、三コール目で低くて艶っぽい声が耳元から聞こえてきた。