極上御曹司の純愛〜幼なじみに再会したら囲い込まれました〜
私も咄嗟に頭を下げて挨拶をしたけれど、誰なのだろうかと目をしばたたかせた。

「家政婦の穂乃果ちゃん。俺らより三つ下かな」
「そうなんだ」
「穂乃果ちゃんこっちきて」

朝日くんが呼ぶと、パタパタと恥ずかしそうにやってきて彼の隣に立った。

「一夜のシッターをしてくれることになった天河美詞さん。これから三週間ほど一緒に過ごすから仲良くしてあげて」
「はじめまして、船井穂乃果と言います。これからのお食事は私が担当させていただきますので、今後ともよろしくお願いします」

そう言って可愛らしい笑顔を浮かべ、礼儀正しく手をお腹の前で組んでお辞儀をくれた。私も慌てて立ち上がり頭を下げる。

「あの、お食事とても美味しかったです。ありがとうございました」
「そう言っていただけて嬉しいです」
「穂乃果ちゃんはうちのホテルでシェフをしてたんだ。その料理の腕前を買って俺が引き抜いてここに連れてきた」
「そうなの？」

朝日くんが褒めると、穂乃果さんは恥ずかしそうに頬を赤らめ「朝日さまが無理やり辞めさせるからですよ」と嬉しそうに言いながら朝日くんを見つめていた。彼も満更でもなさそうで「ここなら好きなだけ好きな料理作れるから一石二鳥だろ」と揶揄って笑っている。

それを見ていた私はなぜか気まずくなってしまい、一歩下がって挨拶をした。

「あ、それじゃあ私、明日も早いし少し疲れたから寝る準備するね。穂乃果さん、しばらくの間ですがよろしくお願いします」

そう言って足早にその場から抜け出した。
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