極上御曹司の純愛〜幼なじみに再会したら囲い込まれました〜
「すみません、わた――」

断ろうと思ったところで、大きな手で肩を抱き寄せられ囲い込むように真横に誰かが立った。

「悪いけど、彼女は俺のパートナーなんで他の方を誘ってください」
「あ？　あっ、いえ！　そんなつもりは！　では私はこれで失礼します」

逃げるようにそそくさと去っていった男性。真横に立つ背の高い人は朝日くんだった。

「ごめん。声をかけられるのも予想してたのに」
「もうスピーチは終わったの？」

挨拶が終わる前に声をかけられて、いつ終わったのか気が付かなかった。

「そろそろ出ようか。あらかた全体への挨拶は終わったし、美詞も疲れてきただろ？」
「……うん」

無理やり連れてこられたと思ったパーティーだったけど、本当に同伴だけで終わってしまい特に何もせず帰ることになった。
ただ朝日くんの凄さを知ることが出来ただけだった。

ホテル関係者に見送られながら「ここまででいい」と関係者専用のエレベーターの前で人払いをした。
着いたエレベーターに乗り込み地下駐車場へ向かうかと思いきや上階へ昇っていく。

「まだなにかあった？」

聞いてもエメラルドグリーンの綺麗な瞳で流し目をされるだけで、フフと微笑んで肩をすくめられた。
< 44 / 64 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop