極上御曹司の純愛〜幼なじみに再会したら囲い込まれました〜
耳元で囁く声に激しく心臓が脈打つ。
この状況に耐えられそうもないのに、朝日くんが語る言葉を聞きたい気持ちもある。背中に彼の温かな体温を感じて余計に身を固くした。

「もしも美詞と再会できたら言おうって決めてたことがあるんだ」

さらに耳元に唇を寄せた朝日くんの温かい呼吸が耳朶にかかった。

「ずっと好きだった。昔も今もやっぱり気持ちは変わらない」

突然くるりと反転させられ、体が向き合う。

見つめる先にはこれほどまでに整った顔があるのかと思うほどの容姿をした彼。
長いまつ毛の奥には、エメラルドグリーンに輝く瞳が揺れて吸い込まれそうになる。

「俺の彼女になって」
「あ……の、わたし……」

話の流れになんとなく予感はしていたけれど、どう答えていいのか言葉が出てこない。

けれど今日のパーティでも思い知った。私では彼の隣に立つには身分が違い過ぎる。
彼は財閥という家柄のうえ、いくつもの有名企業やこの一流ホテルを運営するトップだ。世間でも一目を置かれるような存在の人に私は相応しくないと思い知った。

「朝日くんにはもっと素敵な人が似合うと思う」
「それは美詞だよ」
「私はただの保育士だから……」
「職業なんて関係ない。俺は美詞じゃないとダメなんだ」
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