極上御曹司の純愛〜幼なじみに再会したら囲い込まれました〜
「よかった!」
久しぶりに彼の顔を見たからなのか、なぜか胸がホッとしてそんな返事をしてしまった。
すると、返事を聞いた途端ふぅと肩の力を抜いた朝日くんが私に向き直ると、今度は手を取り車へと引っ張った。
「――えっ、ちょっと朝日くん!?」
「このまま屋久島行こう」
「は!? 別の日じゃないの?!」
「今から行くよ」
「えぇっ! どうしてそうなるの!」
そう言うやいなや、私の都合はお構いなくそのまま車に飛び乗り空港へ向かうと、自家用ジェットに乗って屋久島まで出発してしまった。
無事着いたものの、島に降り立つと見渡す限りの自然に囲まれているのに驚く。
実家のある田舎とは異なる自然環境で、同じ日本とは思えないような山々が連なり開放感も感じる。
けれど、ゆっくり景色を堪能する間もなく空港では車が迎えにきており、そこからホテルへと向かった。
ホテルに入ると、西洋風な造りがルガーディアならではの高級感を漂わせている。
そして部屋への案内は朝日くん自ら誘導してくれた。
「ここが美詞の部屋。俺はその隣にいるから何かあったらいつでも言って」
用意されていたのは、一人では持て余しそうなほどの広さをもったスウィートルームだった。