極上御曹司の純愛〜幼なじみに再会したら囲い込まれました〜
窓の外の前面には屋久島のオーシャンビュー、背面には屋久島独特の尖った山々が見える。もちろん全てが大自然に囲まれた素敵な立地ではある。

癒される空間ではあるものの、一人で部屋にいるにはもの寂しさを感じてしまうほどの広さだ。

「朝日くんの部屋も同じような感じ?」
「ああ、お互いジュニアスウィートの広さだけど充分ゆっくり出来ると思うよ」
「そうだね……」

そうなんだけど、どうしてだろう。
強引に連れてこられて憤りを感じてもおかしくないのに、つい彼の袖を引っ張ってしまいそうになるのは。

それよりも、無理やり連れてこられたこともあり何も用意がない。服もなければ下着もない。
一体どうすればいいのか、いや、何日滞在するのか。そんなことさえも説明されないまま強く拒否も出来ずついてきてしまった。

「あの、朝日くん。ここにはいつまでいるの?」
「美詞が居たいだけずっと」
「は?」
「はは、冗談だよ。あるものを見れたら帰ろう」
「あるものって?」
「それは見つけてからのお楽しみ」
「?」

彼はイタズラっこのような顔をしてニヤリと微笑んだ。とはいってもここに着いたのが夕方近く。
すでに外は夕暮れ時で太陽が地平線に落ちている。何かを見つけに行くには遅すぎる気がする。

なにを見つけると言うのか、またも説明が無さすぎて訳がわからない。
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