極上御曹司の純愛〜幼なじみに再会したら囲い込まれました〜
ふと窓の外を見ると沈みゆく太陽が空を真っ赤に染め、幻想的な風景が広がっていた。

「すごい！　なにこれ！」

私は反射的にバルコニーへ駆けだしていた。
南の島でも冬は寒い。風に吹かれると身震いしてしまう寒さだが、この景色は今まで見た景色のなかで一番きれいで何物にも代えがたい美しさが広がっていた。
しばらく夕日を眺めていると、肩にふんわりと柔らかなブランケットがかけられた。

「そのままで出ると風邪ひくよ」
「……ありがとう」

彼も隣に立って同じように海原を眺めだした。

「美詞に喜んでもらえてよかった」
「景色に罪はないから」

憎まれ口を言ってもただ微笑んでいる朝日くん。
寒さを気にすることなくバルコニーの柵に腕をかけ、遠くを眺めているその横顔をじっと見つめてしまった。

夕日に照らされ髪も瞳も輝いてとても綺麗。
ただ眺めているだけの姿が絵画のように美しすぎて、私は夕日に感動していたはずが彼を見つめて感動してしまっていた。

「見すぎだよ」
「あ……ごめん」

風に吹かれて少し乱れた髪も、斜めに傾げて私を見つめる顔も、少し前かがみになった姿を見てもどの瞬間もただただ美しい。
この空間で隣に立っているのが私だということが申し訳ないくらいに。
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