極上御曹司の純愛〜幼なじみに再会したら囲い込まれました〜
大人になった彼
一週間と経たず朝日くんから連絡が来た。

スーツの弁償のこともあり会うことをOKすると、五つ星ホテル『ルガーディア』で会うことになった。

当日、私が初めて行くホテルだと伝えるとロビーで落ち合うことに。

中に入ると右側にフロント。そして通路の真ん中には数席もの質の良さそうなソファが並んでおり、その中央には大きな花瓶に色鮮やかで豪華な花が生けられている。

さらに見渡すと、囲むように両端に何本もの大きな柱が並んで高い天井からは煌びやかなシャンデリアが吊り下げられている。
まるで西洋のお城のような豪華な内装に、足を踏み入れた瞬間から腰が引けていた。

なにせ、こんな絢爛豪華な場所にはまったくご縁がなかったのだ。

昔は裕福だった我が家も私が小学生の頃までの話で、両親は私を九十九学園へ通わせてくれていたけれど、それも結局無理があった。

もしかしたら朝日くんは、私がいまだ裕福な家庭のお嬢様だと思ってこんな素敵な場所で会おうと提案してくれたのかもしれない。

現実は親に仕送りする質素な生活を送っているというのに……。

そんなことを考えながら見渡すと、一人用ソファの肘掛けにこちらに背を向け腰をかけている朝日くんの姿を見つけた。
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