極上御曹司の純愛〜幼なじみに再会したら囲い込まれました〜
遠目でも分かるほどの圧倒的存在感。

長い手足を組み替えたり、時々横を向いて見上げる仕草がまるで被写体になっているモデルのように絵になる。
周りにいる人たちも朝日くんをちらちらと盗み見るくらい注目されていた。

幼なじみとはいえ今はもうほとんど知らない相手。
さらに注目されるほどのイケメンと待ち合わせをしているのだから、緊張せずにはいられない。

「朝日くんお待たせ」
「美詞! 来てくれてありがとう。迷わなかった?」
「うん、大丈夫だったよ」

爽やかな笑顔で振り向いた彼と目が合ったと思えば、優しく声をかけてくれた。

「良かった。じゃあ早速だけど上に行って飲みながらゆっくり話そう」
「そうだね……」

話そうと言われ、これからスーツの弁償に関する話し合いをするのかと思うと、さらに緊張感が増してきた。

どれほどの金額を渡せばいいのか、自分のお給料で賄えるのか……そんなことを思うとドキドキと呼吸が苦しくなりそうだ。

朝日くんに連れられてエレベーターで四十階まで上ると、ラグジュアリーな雰囲気のラウンジかと思いきや和室仕様の個室に通された。
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