マスカレードknight ~サンタ マリア~
ダウンライトの仄かな灯りの下、披露宴に招待した創立メンバーの顔ぶれがそろい、この“秘密クラブ”に招かれたのは二度目。
「明里」
グレーの三つ揃いに黒いシャツ、真珠色のネクタイが神々しい亮ちゃんが、奥からゆっくりこっちに向かってきた。いつもより前髪をサイドに流してるせいか凜々しさが増して、思わずぼうっと見とれる。
「・・・いつまで津田にしがみついてる」
「え?あっ」
彼の首に巻き付けてた腕をパッとほどくと、頭の上でまた舌打ちが聞こえたような。下ろされてから平謝りして、亮ちゃんの胸に飛び込んだ。
「疲れただろう、体は大丈夫なのか?」
「亮ちゃんの顔見たから平気」
心配と労りが混ざった響きに、寂しかったのも不安も心細さも、あっという間に溶けて無くなる。胸の奥が澄んだ水になる。
「無理するな。着替えて少し休んだほうがいい」
「その前に、ダンナにちゃんとドレスを見せてやれ明里。亮もまだ近くで見てないだろう」
「・・・?」
真下社長の、まるで遠くからは見たかのニュアンスに首を傾げる。と、津田さんからまさかの衝撃告白が。
「会場のバーカウンターにいたバーテンダー、日下さんだよ。・・・ま、誰も気付いちゃなかったけどな」
「明里」
グレーの三つ揃いに黒いシャツ、真珠色のネクタイが神々しい亮ちゃんが、奥からゆっくりこっちに向かってきた。いつもより前髪をサイドに流してるせいか凜々しさが増して、思わずぼうっと見とれる。
「・・・いつまで津田にしがみついてる」
「え?あっ」
彼の首に巻き付けてた腕をパッとほどくと、頭の上でまた舌打ちが聞こえたような。下ろされてから平謝りして、亮ちゃんの胸に飛び込んだ。
「疲れただろう、体は大丈夫なのか?」
「亮ちゃんの顔見たから平気」
心配と労りが混ざった響きに、寂しかったのも不安も心細さも、あっという間に溶けて無くなる。胸の奥が澄んだ水になる。
「無理するな。着替えて少し休んだほうがいい」
「その前に、ダンナにちゃんとドレスを見せてやれ明里。亮もまだ近くで見てないだろう」
「・・・?」
真下社長の、まるで遠くからは見たかのニュアンスに首を傾げる。と、津田さんからまさかの衝撃告白が。
「会場のバーカウンターにいたバーテンダー、日下さんだよ。・・・ま、誰も気付いちゃなかったけどな」