ゾンビゲーム 〜生死をかけて脱出せよ!〜
「さぁ、とくにないのかも」




文秋に言われてお皿をひっくり返してみたり、燭台を逆さに持ってみたりするけれど、ヒントらしきものは見当たらない。




「最後の部屋だけヒントが別の場所にあるのかもね」




部屋の中を探し回っていた春美が動きを止めて言う。

ずっと同じテーブルの上では平坦すぎるから、ここにきて変化をつけてきたのかもしれない。

最も、今の梨乃たちにとってはありがた迷惑な変化だった。




「どこにヒントがあるのか、探してる間にソンビが出てきたら不利になるな」




文秋が顎に手を当ててつぶやく。

せめてゾンビが出現する前にひとつめのヒントを手に入れておきたい。

ゾンビが出てきたら、ヒントを探すどころではなくなってしまうからだ。

早くヒントを見つけ出したいけれど、むやみに探し回ればゾンビを放出してしまう。

そう思うと自然と行動に制限がかけられてしまう。
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