あなたには言えない

1.新生活の始まり

雲ひとつない青空が広がっている。
新しい生活を迎えるにはとてもいい日だ。

私は崎本美月(さきもとみづき)15歳。

「おはよう」
振り向くとそこには笑顔で走ってくる
親友の石垣美優(みゆ)がいた。
「おはよう」美優とは小学校からの親友だ。
私に何があろうとそばにいてくれる。

「楽しみだね。どんな学校生活になるんだろう!」
そう。
今日から高校生活の始まりなのだ。
美優と私は一緒に県立春日高等学校の普通科に入学することができた。
県立春日高等学校は偏差値が60程度。
私は将来、看護師になりたくて一生懸命勉強してきたのだ。

「本当!どんな学校生活になるのかな」
美優も私も不安と期待を抱え、高校の門をくぐった。

新入生の各個人に封筒が配られ、その中にクラスが書かれた紙が入っていた。

「残念、美月と違うクラスになっちゃった。」
クラスが書かれた紙を見ると、私は1組で美優は5組だった。
「本当だ!残念。でも、学校は一緒なんだし遊んだりしようね。」

「うんうん。絶対ね! 
あっ、帰り一緒に帰ろうよ。」
「うん、じゃあ、またあとでね」
そう言って私たちは別々のクラスに入って行った。
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