あなたには言えない
「ねえ、美月。」
「あ、はい!」
いきなり声をかけられて、私は驚いて声がひっくり返った。

「なんだその声」
陸玖はゲラゲラ笑った。
「あ、なんかごめん。」

陸玖の笑いがおさまった。
「あー、笑った。あ、そうそう、今日なんか予定あるの?」
真剣な眼差しになり、陸玖に質問された。

「今日は、とりあえず買い物に行くぐらいかな?
お母さん仕事だから、夕食の買い出しってとこ。」
私は普通に答えた。

「そうなんだ。俺もついて行ってもいいか?」
陸玖は私を見て言った。

「え?いいけど。買い物行くだけだよ。」
陸玖はいつもお母さんに頼まれて仕方なく買い物について行くのに、
自分から行くと言ったのは初めてだった。

「OK!じゃあ、一緒に行こうっと。行くとき教えてね。」
陸玖はちょっとルンルンな感じで部屋に戻って行った。
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