あなたには言えない
教室に入ると心からもプレゼントをもらった。
「誕生日おめでとう。」
「ありがとう」
中を開けてみると、手作りのガトーショコラだった。

私はガトーショコラが大好きで、いつもケーキ屋に行くと買うのだ。

「え?わざわざ作ってくれたの?」
私は嬉しくて、跳ね上がるような声で言った。
「うん。あまり期待はしないで欲しいけど、
美月、ガトーショコラが好きだから。」
私は嬉しくて、心に抱き着いた。

「ああ、今食べたい。でも、お弁当の後にしようっと。」
楽しみはとっておくことにした。

昼休みになり、心とお弁当を食べたあと、ガトーショコラを食べた。
濃厚でいて甘さは控えめ、私好みのガトーショコラだった。

「心凄いおいしい。今まで食べたガトーショコラの中で一番だよ。」
と言うと
「大袈裟すぎるよ。でも喜んでくれてよかった。」
心はホッとした表情を浮かべた。

「冗談じゃないよ。めっちゃおいしい。ありがとう。」
私は再び、嬉しさのあまり心に抱き着いた。

学校が終わり、心たちとカフェでひとしきり話をした。
美優と心には彼氏がいるし、女同士だと恋愛話ばかりだった。

私は正直、恋愛がどんなものなのかわからずにいた。
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