あなたには言えない
陸玖は驚いた表情をしていた。
「どうした?そんなに慌てて。」
私の慌てっぷりに驚いたようだ。

「あ、なんでもない。お帰り。今日バイトだって聞いてたけど。」
私は平然を装った。

「あっ、バイト終わって帰ってきた。」
平然とした顔で、リビングに入って行った。
私もなんとなくリビングについて行った。

「今日、母さんも父さんも仕事だろ?
チキンとケーキ買ってきたから、あとで一緒に食べようぜ。」
陸玖はバイト帰りにわざわざ買ってきてくれたのだ。

「ありがとう。」
「そういえば陸玖。
バイトしてるんだって?何してるの?」
私はバイトのことを聞いてみた。

「ああ、行ってなかったっけ?
H駅の近くにあるコンビニだよ。
ほら近場じゃあ学校にバレるだろ。」
陸玖は笑いながら言った。

「じゃあ、俺着替えてくるから、待ってて。」
そう言って陸玖は部屋に戻って行った。

私も一度部屋に戻ることにした。
陸玖へのプレゼントを取りにいくためだ。

実は数日前に、ショッピングモールに行って陸玖に渡すクリスマスプレゼントを選んだのだ。
悩みに悩んだ末、スマホケースにした。
喜んでくれる自信はなかったけどとりあえず、リビングに持って行くことにした。
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