あなたには言えない
観覧車に乗った。

「どんどん高くなっていくね。」
私と陸玖は面と向かって座った。

私は周りを見渡していた。

「あ、あそこ見て。」
先ほど歩いた庭園は上から見ても花の形をしていてかわいかった。

「どれ?」
陸玖は立ち隣に座ってきた。
私はドキッとした。
『陸玖が近い』

何度もキスはしているが自宅ばかり。
外でこんなに近くに陸玖を感じるのは初めてで
『ドキッ』としたのだ。

もうすぐ頂上、という位置に差し掛かったとき
「この観覧車の頂上でキスをすると永遠に結ばれるんだって。」
と陸玖は言った。
「え?」
私は動揺をしていた。

そして頂上になった瞬間、
陸玖は私にキスをした。
深く長いキス。

『この人とならどうなってもいい』
この時は私はそう感じ、陸玖の腕を強く掴んだ。
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