あなたには言えない
数秒しても何も起きなかった。

そっと目を開けてみた。
すると陸玖が目の前に立ち、先輩の腕を掴んでいた。

『え?陸玖?なんで?』
私の頭の中はパニックになっていた。

「俺の大事な人に手を出さないでいただけますか?
美月は先輩よりよっぱどキレイですよ。
だから諦めて下さい。」
陸玖はそう言って、先輩の手を優しく下ろし、
私の手を引っ張り歩き出した。

私は陸玖に引っ張られるままついて行った。
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