あなたには言えない
そして、陸玖のお母さんとお父さんが一緒に家にいる日を見つけ、
私たちは両親に告げることにした。

「母さん、父さん、話があるんだ。」
夜ごはんのあと、陸玖は話しを切り出した。

4人でダイニングテーブルを囲んだ。
「話って何?」
お母さんが言った。

「実は、
俺たち付き合ってるんだ。」
陸玖は単刀直入に言った。

すると、お父さんはびっくりしていたが、
お母さんは平然としていた。

「なーんだ。そんなことか!
とっくに気づいていたわよ。」
お母さんの言葉に私と陸玖は拍子抜けした。

「え?お母さん?」

「あなたたちの母親よ、気付かないわけないでしょ。
お父さんは気づいていなかったようだけどね。」
お父さんはしらーっとした顔をした。

「まあいいんじゃない?
でも、お願いだから、あんまり家でイチャイチャしないでね。」
その言葉に私の顔は暑くなった。

「さっ、お風呂に入ってね!」
お母さんは『これで終了』と言わんばかりに言った。

これで陸玖と私は堂々と付き合えるようになった。
< 51 / 52 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop