あなたには言えない
目を開けると、真っ白な天井。
『ここ、どこ?』
頭がボーっとしていた。
どうやら保健室のベッドの上にいるようだった。

「美月、目覚めたか?」
声にハッとして、飛び起きた。

陸玖がそこに座っていた。
『え?は?何?』頭が混乱していた。

「あ、えっと・・・」
私は何も言えなかった。
「良かった。」
陸玖はホッとしたような口調で言った。

「美月、玉入れの途中で急に倒れたんだ。」
「あっ、そうだったんだ。ごめん。」
私は陸玖に迷惑をかけたくなかったのに、迷惑をかけてしまった。

「謝んなよ。」
陸玖がそう言うが
「ごめん」
また謝ってしまった。

保健室のドアが開く音がした途端、
「じゃあ、俺帰るわ」
急に陸玖は立ち上がり保健室を出て行った。
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