いちばん、欲しいもの


「そ。いちばん、欲しいもの」



そう言って聖夜が触れたのは、
10日前と同じ、私のくちびる。



〝それって............なに?〟



そう問いかける前に。



「俺の............、ずっと、
いちばん、欲しいものは、星奈。お前だよ」



真っ直ぐ見つめ合う視線に、
ぎゅっと胸が締め付けられた。



そして..............................



「でも、お前は、
〝運命の恋〟するってずっと言ってたから、
お前の理想と違うと思って言えなかった、」



そう言って、
スッとくちびるから指を離した聖夜。



聖夜はきっと、私に、
気を遣ってたから、言えなかったんだと思うと。



申し訳なく思って........................


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