いちばん、欲しいもの
『クリスマスは、
運命の恋をした人と過ごす!』
そんな〝理想〟を語って、
聖夜を傷つけてたのは、間違いなく私。
だから..............................
「.........、あー、いや、理想は、理想だから、」
上手く言葉を発することが出来たか分からない。
でも今日、ここにツリーを、
見せに来てくれたことは感謝してるから。
「............っ、連れて来てくれてありがとう」
正直に言葉を紡いだ。
なんて言葉が帰って来るか、
ほんの少しドキドキしていると。
「ばーか。ただの、
〝少しだけ、クリスマスを先取り〟だよ」
そう言って、
ずっと掴んでいた腕を離すと。
パチンッと軽く、
私のおでこを弾かれた..................