厄介払いされた聖獣王女ですが、冷徹なはずの皇帝陛下に甘やかされています
「そうか……。弟に……」
視線を伏せ、じっと話を聞いていたライズは小さく呟いた。
表情が変わらないので、どう考えているかはわからない。
「殿下のお身体の具合は、よくありません。ご自分のお立場を理解していらっしゃいましたが……ライズ様と皇太后様に会いたがっておられました」
できるなら小離宮から救い出し、城に迎えて手厚く看護してほしいと伝えたが、ライズは重々しい表情を浮かべ、首を横に振った。
「小離宮に身を置かせた意味がわからないわけではないだろう。本来なら処刑してしかるべき状況だった」
「ですが、殿下はきっと利用されただけで……ライズ様も、そのことはわかっていらっしゃるのではありませんか」
「わかっていようがいまいが、ルークが生きていれば私の敵に回る可能性がある。利用しようとする者は後を絶たないからな」
わずかに、彼の口調が厳しくなっていた。
それでもなお言い募ろうとしたが、ライズはそこで席を立った。扉のほうへ向かう前に、回り込んで引き留める。
視線を伏せ、じっと話を聞いていたライズは小さく呟いた。
表情が変わらないので、どう考えているかはわからない。
「殿下のお身体の具合は、よくありません。ご自分のお立場を理解していらっしゃいましたが……ライズ様と皇太后様に会いたがっておられました」
できるなら小離宮から救い出し、城に迎えて手厚く看護してほしいと伝えたが、ライズは重々しい表情を浮かべ、首を横に振った。
「小離宮に身を置かせた意味がわからないわけではないだろう。本来なら処刑してしかるべき状況だった」
「ですが、殿下はきっと利用されただけで……ライズ様も、そのことはわかっていらっしゃるのではありませんか」
「わかっていようがいまいが、ルークが生きていれば私の敵に回る可能性がある。利用しようとする者は後を絶たないからな」
わずかに、彼の口調が厳しくなっていた。
それでもなお言い募ろうとしたが、ライズはそこで席を立った。扉のほうへ向かう前に、回り込んで引き留める。