厄介払いされた聖獣王女ですが、冷徹なはずの皇帝陛下に甘やかされています
*
あれよあれよという間に建国祭の当日となった。
これ以上はないほど贅沢に飾りつけられた城の大ホールに、国内外から招待された最上級の賓客が集まって、盛大な式典が催されている。
本日は特別な流れをとり、開幕にまず偉大な先祖を称え、帝国の繁栄を祝う儀式が執り行われる。国を支えた功労者へ褒賞が与えられ、続いて恩赦の儀へと移った。
恩赦を与える対象としてルークの名が明かされると、ホールの壁に反響するほど大きなどよめきが上がった。初めは戸惑っていた貴族たちも、聖人のごとく復活したルークの姿を実際に目にすれば、その奇跡に感嘆するほかない。
ルークの復権が公に宣言され叶った瞬間、会場は割れんばかりの拍手に包まれた。フランも手の平が赤くなるほど拍手をし、心からの祝福を送った。
式を終えて、夜通し開かれる祝賀パーティーへと移る。荘厳だった雰囲気はがらりと変わり、上品な笑顔と陽気な笑い声に満ちた宴が始まった。
美しき軍神のようなライズ、そして神の申し子と目されるルークは宴が開始されるやいなや大人気となってしまい、近寄ることは難しくなった。別の方向に目を向ければ、皇太后はシルビア姫とともに各国から来た重鎮の相手をしている。
壁のような人垣を見つめて、フランはため息をついた。
(ライズ様にドレスのお礼を言いたかったけれど、今は無理よね……)
あれよあれよという間に建国祭の当日となった。
これ以上はないほど贅沢に飾りつけられた城の大ホールに、国内外から招待された最上級の賓客が集まって、盛大な式典が催されている。
本日は特別な流れをとり、開幕にまず偉大な先祖を称え、帝国の繁栄を祝う儀式が執り行われる。国を支えた功労者へ褒賞が与えられ、続いて恩赦の儀へと移った。
恩赦を与える対象としてルークの名が明かされると、ホールの壁に反響するほど大きなどよめきが上がった。初めは戸惑っていた貴族たちも、聖人のごとく復活したルークの姿を実際に目にすれば、その奇跡に感嘆するほかない。
ルークの復権が公に宣言され叶った瞬間、会場は割れんばかりの拍手に包まれた。フランも手の平が赤くなるほど拍手をし、心からの祝福を送った。
式を終えて、夜通し開かれる祝賀パーティーへと移る。荘厳だった雰囲気はがらりと変わり、上品な笑顔と陽気な笑い声に満ちた宴が始まった。
美しき軍神のようなライズ、そして神の申し子と目されるルークは宴が開始されるやいなや大人気となってしまい、近寄ることは難しくなった。別の方向に目を向ければ、皇太后はシルビア姫とともに各国から来た重鎮の相手をしている。
壁のような人垣を見つめて、フランはため息をついた。
(ライズ様にドレスのお礼を言いたかったけれど、今は無理よね……)