厄介払いされた聖獣王女ですが、冷徹なはずの皇帝陛下に甘やかされています
今宵フランが身につけているドレスとアクセサリーは、すべてライズが新しくプレゼントしてくれた最高級の品だ。しばらく前からやたらと侍女が来て、隅から隅まで採寸されると思っていたら、突然に贅沢な品々が部屋に届けられて嬉しい驚きだった。
今日は是が非でもこの姿をひと目見せ、お礼を言わなければと思っているのだが、それにはしばらく待たねばならないだろうと考えながら会場を見回す。すると、花離宮の令嬢たちがフランを見つけ、周囲に集まってきた。
再び皇妃の部屋に迎えられたことを羨ましがられはしたが、今回が初めてのことではないせいか、向けられる嫉妬心は思ったよりも控えめだ。むしろ彼女たちはシルビア姫とその対抗馬であるフランの対決を、ゴシップネタのように楽しんでいる節があった。
「フランさんはいいわよねぇ。陛下の一番のお気に入りですもの」
「もしかしたら正妃に選ばれる可能性もなきにしもあらず……? でもシルビア様はどうなるのかしら……? 政治的に考えるとやはり……」
「わたくしは親しみやすいフラン様がいいと思うわ。応援していますわよ、フラン様」
噂好きの令嬢たちが、思い思いに語り合い、情報を交換し合う。
今日は是が非でもこの姿をひと目見せ、お礼を言わなければと思っているのだが、それにはしばらく待たねばならないだろうと考えながら会場を見回す。すると、花離宮の令嬢たちがフランを見つけ、周囲に集まってきた。
再び皇妃の部屋に迎えられたことを羨ましがられはしたが、今回が初めてのことではないせいか、向けられる嫉妬心は思ったよりも控えめだ。むしろ彼女たちはシルビア姫とその対抗馬であるフランの対決を、ゴシップネタのように楽しんでいる節があった。
「フランさんはいいわよねぇ。陛下の一番のお気に入りですもの」
「もしかしたら正妃に選ばれる可能性もなきにしもあらず……? でもシルビア様はどうなるのかしら……? 政治的に考えるとやはり……」
「わたくしは親しみやすいフラン様がいいと思うわ。応援していますわよ、フラン様」
噂好きの令嬢たちが、思い思いに語り合い、情報を交換し合う。