厄介払いされた聖獣王女ですが、冷徹なはずの皇帝陛下に甘やかされています
(やだ、恥ずかしい……!)
逃げるように、皇帝の膝から飛び降りた。
けれど体力はもう底を尽きそうで、よたよたしながら出口に向かおうとしていると、再びうしろから胴を掴まれ持ち上げられてしまう。
手足をばたつかせてもたいした抵抗にはならない。彼はフランを懐に抱いたまま、部屋の中ほどへと歩いていった。
食べ物の匂いがして、フランの鼻がひくりと動く。
腕の中から身を乗り出すようにして見下ろすと、眼下のテーブルにはティーブレイクの用意が整えられ、彩りの美しいサンドウィッチやフルーツ、マカロンなどのスイーツが皿に贅沢に盛りつけられていた。
(お、美味しそう……)
おそらくは先ほどメイドがワゴンで運んできたスイーツだろう。涎を垂らしそうになりながら食べ物に見入っていると、ライズはフランを片手に抱え直し、空いているほうの腕を伸ばしてデザートスプーンを取り上げた。
「動物でも食べられそうなものは……」
呟きながら、可愛らしい陶器の器に入った半固形状のクリーム色の食べ物をすくい、フランの口元に近づけてくる。
逃げるように、皇帝の膝から飛び降りた。
けれど体力はもう底を尽きそうで、よたよたしながら出口に向かおうとしていると、再びうしろから胴を掴まれ持ち上げられてしまう。
手足をばたつかせてもたいした抵抗にはならない。彼はフランを懐に抱いたまま、部屋の中ほどへと歩いていった。
食べ物の匂いがして、フランの鼻がひくりと動く。
腕の中から身を乗り出すようにして見下ろすと、眼下のテーブルにはティーブレイクの用意が整えられ、彩りの美しいサンドウィッチやフルーツ、マカロンなどのスイーツが皿に贅沢に盛りつけられていた。
(お、美味しそう……)
おそらくは先ほどメイドがワゴンで運んできたスイーツだろう。涎を垂らしそうになりながら食べ物に見入っていると、ライズはフランを片手に抱え直し、空いているほうの腕を伸ばしてデザートスプーンを取り上げた。
「動物でも食べられそうなものは……」
呟きながら、可愛らしい陶器の器に入った半固形状のクリーム色の食べ物をすくい、フランの口元に近づけてくる。