厄介払いされた聖獣王女ですが、冷徹なはずの皇帝陛下に甘やかされています
けれども、待てど暮らせどノックの音は響かなくて。
今日は慣れないことばかりで、疲労も溜まっていた。ひとりになった途端、入浴とマッサージで血行がよくなった体に睡魔が押し寄せてくる。
ベッドに腰かけているうちにうとうとしはじめ、いつしか大きなクッションに身を埋め、深い眠りについていた。
――懐かしい潮風。広大な海と、眩しい日差し。
視界が開かれるように、目の前に雄大な景色が広がった。
体は浮遊感に包まれ、とある島の上空を漂っている。実体がないとでもいうのだろうか。夢でも見ているような不思議な感覚。そうだ、きっと夢を見ているのだ。
シャムール島の景色に似ているけれど、中央に建っているはずのお城は見当たらない。代わりに見慣れぬ一隻のガレオン船が沖に停泊しているのが見える。
島の浜辺には、あの船で海を渡ってきたと思われる青年がひとり、砂の上に直接腰を下ろし、くつろいでいた。
日に焼けた小麦色の肌。金色の髪が風になびいてきれいだ。冒険家のような格好も、荒々しくて魅力的。
今日は慣れないことばかりで、疲労も溜まっていた。ひとりになった途端、入浴とマッサージで血行がよくなった体に睡魔が押し寄せてくる。
ベッドに腰かけているうちにうとうとしはじめ、いつしか大きなクッションに身を埋め、深い眠りについていた。
――懐かしい潮風。広大な海と、眩しい日差し。
視界が開かれるように、目の前に雄大な景色が広がった。
体は浮遊感に包まれ、とある島の上空を漂っている。実体がないとでもいうのだろうか。夢でも見ているような不思議な感覚。そうだ、きっと夢を見ているのだ。
シャムール島の景色に似ているけれど、中央に建っているはずのお城は見当たらない。代わりに見慣れぬ一隻のガレオン船が沖に停泊しているのが見える。
島の浜辺には、あの船で海を渡ってきたと思われる青年がひとり、砂の上に直接腰を下ろし、くつろいでいた。
日に焼けた小麦色の肌。金色の髪が風になびいてきれいだ。冒険家のような格好も、荒々しくて魅力的。