縁切りの神様と生贄婚 ~村のために自分から生贄に志願しましたが、溺愛がはじまりました~
突然の発言に全員が目を見開き、言葉を失っていた。
だけど薫子は本気だった。

自分がこの村に恩返しできるのは今しかない。
両親にまで嫌われたこの赤毛を、ここの人たちは当然のこととして受け入れてくれた。

そしてこの年齢になるまで家族同然に育ててくれたのだ。
「縁切りの神様の生贄になります」

薫子はもう1度はっきりとした声でそう告げたのだった。
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