縁切りの神様と生贄婚 ~村のために自分から生贄に志願しましたが、溺愛がはじまりました~
☆☆☆
その日の薫子は大好きな菜園をいじることもなく、床に臥せっていた。
時折火が香るこの周りをふわふわと浮かんで心配そうにしているけれど、それに答える余裕もない。
布団を頭までかぶっていると「体調が悪いのか」と声が聞こえてきて布団の中でビクリと体を跳ねさせた。
布団から出てみなくても相手が誰なのかはわかる。
この広い屋敷には薫子と切神しかいないのだから。
相手が薫子の枕元に座り込む音が聞こえてきた。
「大丈夫ですから、ほっておいてください」
つい口調がきつくなる。
あの兄弟を屋敷にあげることくらい簡単なはずなのに、なぜそれができないのか未だに納得がいかない。
その日の薫子は大好きな菜園をいじることもなく、床に臥せっていた。
時折火が香るこの周りをふわふわと浮かんで心配そうにしているけれど、それに答える余裕もない。
布団を頭までかぶっていると「体調が悪いのか」と声が聞こえてきて布団の中でビクリと体を跳ねさせた。
布団から出てみなくても相手が誰なのかはわかる。
この広い屋敷には薫子と切神しかいないのだから。
相手が薫子の枕元に座り込む音が聞こえてきた。
「大丈夫ですから、ほっておいてください」
つい口調がきつくなる。
あの兄弟を屋敷にあげることくらい簡単なはずなのに、なぜそれができないのか未だに納得がいかない。