縁切りの神様と生贄婚 ~村のために自分から生贄に志願しましたが、溺愛がはじまりました~
菊乃がしかめっ面をして言う。
同年代の菊乃にもなにも言わずに出ていってしまったようで、それがわだかまりになっているようだ。
「でも、ついこの前隣町まで買い物に行ったらそこでふたりを見かけたのよ」
「そうなの!?」
薫子は身を乗り出してそう聞いた。
ふたりは村から縁を切られても、さほど離れていない場所で暮らしていたのかもしれない。
「うん。今は隣村の団子屋で働いているみたい」
「よかった……」
村にいられなくなったふたりがその後どうしているのか、ずっと心配していたのだ。
切神さまの逆鱗にふれてふたりが、あの兄弟のように野垂れ死にでもしたらどうしようかと気が気ではなかった。
隣村の団子やといえば半日もあれば行って帰ることのできる距離だ。
今度ふたりの顔を見に行ってもいいかもしれない。
「それよりも、神様との結婚生活について教えてよ」
菊乃の目が輝く。
薫子は順を追って、神様と出会ったときのことから菊乃に説明をしたのだった。
同年代の菊乃にもなにも言わずに出ていってしまったようで、それがわだかまりになっているようだ。
「でも、ついこの前隣町まで買い物に行ったらそこでふたりを見かけたのよ」
「そうなの!?」
薫子は身を乗り出してそう聞いた。
ふたりは村から縁を切られても、さほど離れていない場所で暮らしていたのかもしれない。
「うん。今は隣村の団子屋で働いているみたい」
「よかった……」
村にいられなくなったふたりがその後どうしているのか、ずっと心配していたのだ。
切神さまの逆鱗にふれてふたりが、あの兄弟のように野垂れ死にでもしたらどうしようかと気が気ではなかった。
隣村の団子やといえば半日もあれば行って帰ることのできる距離だ。
今度ふたりの顔を見に行ってもいいかもしれない。
「それよりも、神様との結婚生活について教えてよ」
菊乃の目が輝く。
薫子は順を追って、神様と出会ったときのことから菊乃に説明をしたのだった。