縁切りの神様と生贄婚 ~村のために自分から生贄に志願しましたが、溺愛がはじまりました~
盗賊が来てから久しく見ていなかった心からの笑顔だ。
その顔を見るだけで薫子の心は満たされていった。

よかった。
本当によかった。

これで怯えて過ごさなくてすむ。
夜だって、安心してぐっすりと眠ることができるはずだ。

そう思い、薫子はそっと扉から身を離したのだった。
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