縁切りの神様と生贄婚 ~村のために自分から生贄に志願しましたが、溺愛がはじまりました~
まさかこの場で夫婦という言葉を聞くとは思ってもいなかった。
それも、こんなにかっこいい人の妻だなんて。

「わ、私でいいんでしょうか? 切神さまにはもっとふさわしい人がいるんじゃないですか?」
「そうか? 少なくても私は薫子のことが気に入っているんだが……」

いつ、どこで気にられるようなことをしただろうか。
記憶をたどってみても全く思い当たらない。

薫子はますます照れて赤くなってしまった。
「そ、それなら私からの異論はございません」

薫子の声はとても小さくなり、やがて消えて行ったのだった。
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