縁切りの神様と生贄婚 ~村のために自分から生贄に志願しましたが、溺愛がはじまりました~
☆☆☆
翌日の朝早くに薫子はそっと布団を抜け出した。
外はようやく白みがかってきたところだったけれど、どうしてもあの食物のことが気になって目が覚めてしまったのだ。
薫子が部屋を抜け出したのを見て、火が慌てて後を追いかけてきた。
そして薫子の周りをうっすらと照らし出してくれる。
「ありがとう」
薫子が言うと火は返事をするようにその場でクルリと回転してみせた。
その様子にクスッと笑い、庭へと降り立つ。
薫子の作った菜園ではまだ作物は取れていない。
時期が時期だけに育つものの育たないのかもしれないと思っていたけれど、切神がくれたあの種は別物だ。
芽が出ていた場所へ向かうと、芽の大きさは薫子の膝上にまで到達していた。
太く立派な茎の間から見たこともない実がついているのがわかる。
「すごい。これってなんだと思う?」
薫子の問いかけに火は首をかしげる様に斜めに向いて静止した。
翌日の朝早くに薫子はそっと布団を抜け出した。
外はようやく白みがかってきたところだったけれど、どうしてもあの食物のことが気になって目が覚めてしまったのだ。
薫子が部屋を抜け出したのを見て、火が慌てて後を追いかけてきた。
そして薫子の周りをうっすらと照らし出してくれる。
「ありがとう」
薫子が言うと火は返事をするようにその場でクルリと回転してみせた。
その様子にクスッと笑い、庭へと降り立つ。
薫子の作った菜園ではまだ作物は取れていない。
時期が時期だけに育つものの育たないのかもしれないと思っていたけれど、切神がくれたあの種は別物だ。
芽が出ていた場所へ向かうと、芽の大きさは薫子の膝上にまで到達していた。
太く立派な茎の間から見たこともない実がついているのがわかる。
「すごい。これってなんだと思う?」
薫子の問いかけに火は首をかしげる様に斜めに向いて静止した。