縁切りの神様と生贄婚 ~村のために自分から生贄に志願しましたが、溺愛がはじまりました~
だけど逆鱗に触れれば縁を切られてしまうのは難点だった。
千桜と冴子とだって話をすれば理解しあえたあずだ。

1人悩んで落ち込んでいるところに、火がやってきた。
まるで薫子を慰めるようによりそってくる。

「ありがとう。あんたは私の気持ちがわかるのね?」
火はコクコクと頷くように揺れて、薫子の肩にとまる。

その途端体があたたまるだけではなく、心までジワリとぬくもりを感じられて薫子は目を閉じた。
誰にも相談できない今の状況で唯一の心の救いと言えた。
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