紅色に染まる頃
第二十四章 結婚式
紅葉が綺麗に色づき始めた11月初旬。
いよいよ美紅と伊織の結婚式の日を迎えた。
秋らしく高い空が広がり、空気も澄み切っていて清々しい。
まずは式の前に境内で、支度を整えた美紅と伊織の写真撮影が行われた。
「美紅、本当によく白無垢が似合ってる」
「ありがとうございます」
隣に並ぶ伊織が目を細めて美紅に声をかけると、美紅は照れたようにうつむく。
白一色で織り上げられた最も格式の高い正礼装である白無垢は、上に羽織る打ち掛け、中に着る掛け下、帯、小物に至るまで全てが白で統一されていた。
白無垢姿の美紅は、真っ白な清らかさと神聖で厳かな雰囲気をも身にまとっているようだと伊織は思う。
伊織の装いも、美紅の白無垢の格に合わせて第一礼装である紋付袴。
その中でも最も格式が高い、黒五つ紋付羽織袴だった。
長着、羽織とも、絹織物である羽二重の生地で黒一色。
そのどちらにも、紋を5つ白く染め抜いてある。
袴は、袴地の最高級生地である「仙台平」の縞柄で、小物類は白一色で統一されていた。
「伊織さんも、とてもかっこいいです」
恥ずかしそうに美紅が呟くと、伊織は優しく美紅に微笑む。
「お二人とも素敵ですね。もう何枚かお撮りします」
見つめ合う二人を、カメラマンがカシャカシャと撮影した。
いよいよ美紅と伊織の結婚式の日を迎えた。
秋らしく高い空が広がり、空気も澄み切っていて清々しい。
まずは式の前に境内で、支度を整えた美紅と伊織の写真撮影が行われた。
「美紅、本当によく白無垢が似合ってる」
「ありがとうございます」
隣に並ぶ伊織が目を細めて美紅に声をかけると、美紅は照れたようにうつむく。
白一色で織り上げられた最も格式の高い正礼装である白無垢は、上に羽織る打ち掛け、中に着る掛け下、帯、小物に至るまで全てが白で統一されていた。
白無垢姿の美紅は、真っ白な清らかさと神聖で厳かな雰囲気をも身にまとっているようだと伊織は思う。
伊織の装いも、美紅の白無垢の格に合わせて第一礼装である紋付袴。
その中でも最も格式が高い、黒五つ紋付羽織袴だった。
長着、羽織とも、絹織物である羽二重の生地で黒一色。
そのどちらにも、紋を5つ白く染め抜いてある。
袴は、袴地の最高級生地である「仙台平」の縞柄で、小物類は白一色で統一されていた。
「伊織さんも、とてもかっこいいです」
恥ずかしそうに美紅が呟くと、伊織は優しく美紅に微笑む。
「お二人とも素敵ですね。もう何枚かお撮りします」
見つめ合う二人を、カメラマンがカシャカシャと撮影した。