紅色に染まる頃
第十二章 パーティーでの出来事
「企業のクリスマスパーティー、ですか?」

数日後、いつものように副社長室で伊織と仕事をしていた美紅は、帰りがけに伊織に呼び止められた。

「そう。本堂グループが主催して関連会社や取り引き先を招くパーティーなんだ。もし良ければ、小笠原家の皆様を紹介させてもらいたい。今一緒に取り組んでいる、京都の隠れ宿についても発表する予定だから。どうかな?」
「では、一度家族と相談させて頂いてからお返事してもよろしいでしょうか?」
「もちろん」

伊織は美紅にパーティーの招待状を渡す。
美紅は早速招待状を持って、兄に相談しようとバーに向かうことにした。
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