紅色に染まる頃
時間になり、パーティーは滞りなく進められる。

本堂グループ社長の伊織の父の挨拶と、本堂リゾート社長の挨拶。

その流れで、伊織がマイクの前に立ち、新たな取り組みとして京都の隠れ宿の計画を発表する。

小笠原家の協力のもと、ということで、美紅達も立ち上がってお辞儀をした。

表面上は温かい拍手を送られる。
だが美紅は、紘の言葉が頭の中に蘇っていた。

そっと紘の様子をうかがうと、大丈夫だというように大きく頷いてくれる。

美紅も、この場は兄に任せようと頷いてみせた。
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