紅色に染まる頃
パタンと玄関のドアが閉まり、部屋はしんと静まり返る。
「ほ、本当に、今日からここに住んでいいの?」
恐る恐るリビングの窓に近づくと、少し開けてウッドデッキに出てみる。
「わあ、素敵…」
ひんやりとした新鮮な空気。
風にそよぐ緑の木々。
家にいながら自然の中にいるような、不思議な気分になる。
「ずっとこうしていたい」
美紅は時間も忘れてひたすら外の景色を眺めていた。
ふいにチャイムの音が聞こえてきて、美紅は我に返る。
急いで玄関のドアを開けると、怒ったような表情の伊織が立っていた。
「こーら。相手を確かめずにドアを開けたら駄目でしょ?」
「あ!はい。申し訳ありません」
「インターフォンはモニター付きだから、必ず確認してね。片付けは終わった?」
「それが、全く…。ずっとウッドデッキにいて」
「え、ずっと?あれから1時間半も経ってるのに?」
そんなに経ったの?と驚く美紅の頬に、伊織が右手を伸ばして触れる。
ひゃっ!と驚いて固まっていると、大きな手のひらで美紅の左頬を包みんだ伊織は、やっぱり、と呟いた。
「身体が冷え切ってる。おいで。あ、鍵を持ってね」
「あ、は、はい」
慌てて鍵を持ってあとを追うと、伊織は自分の部屋に美紅を上げた。
「ほ、本当に、今日からここに住んでいいの?」
恐る恐るリビングの窓に近づくと、少し開けてウッドデッキに出てみる。
「わあ、素敵…」
ひんやりとした新鮮な空気。
風にそよぐ緑の木々。
家にいながら自然の中にいるような、不思議な気分になる。
「ずっとこうしていたい」
美紅は時間も忘れてひたすら外の景色を眺めていた。
ふいにチャイムの音が聞こえてきて、美紅は我に返る。
急いで玄関のドアを開けると、怒ったような表情の伊織が立っていた。
「こーら。相手を確かめずにドアを開けたら駄目でしょ?」
「あ!はい。申し訳ありません」
「インターフォンはモニター付きだから、必ず確認してね。片付けは終わった?」
「それが、全く…。ずっとウッドデッキにいて」
「え、ずっと?あれから1時間半も経ってるのに?」
そんなに経ったの?と驚く美紅の頬に、伊織が右手を伸ばして触れる。
ひゃっ!と驚いて固まっていると、大きな手のひらで美紅の左頬を包みんだ伊織は、やっぱり、と呟いた。
「身体が冷え切ってる。おいで。あ、鍵を持ってね」
「あ、は、はい」
慌てて鍵を持ってあとを追うと、伊織は自分の部屋に美紅を上げた。