恋、花ひらく
ある日。
菜々花先生が言った。
「ユキトって…
なかなか先生
取らないよね。
ずっとそう呼ぶ
つもりなの?」
「…やっぱ嫌かな?」
「みんなの前じゃ
それでいいよ。
だけど二人でいる時
ぐらいは、呼び捨てが
良いな。」
「…解った。
でも何だか
恥ずかしいな。」
「大丈夫、
いつか慣れるわよ。」
「かなぁ。」
僕は菜々花先生のことを
呼び捨てする事に
なってしまった。
だけどやっぱり恥ずかしくて
「菜々」と短めて呼んでいた。
先生はそれでもいいよ、と
許してくれた。
< 59 / 179 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop