恋愛教育のススメ〜イケメン副社長はド天然?教育係を任せれましたが地位は要らないので解放して下さい〜
本当に厄日に続く厄災続き。
「寒い…です」
「暖めましょうか?」
「結構です。まじで」
「このままだと…ミイラに」
「なりませんよ」
模擬ウェディングの為の大がかりな仕掛けの確認に地下へ降りとんでもない事に巻き込まれた。
「副社長も白石チーフも落ち着いて下さい」
11月中旬はもう寒さが身に染みる
一人ぬくぬくとしたぽっちゃり体型の寺井主任はワイシャツ一枚にも関わらず暑いらしくハンカチで額を拭ってる。
「落ち着いてますよ。ふふっ」
最近残業続きでイライラしてるのは事実だがそれを私は人に見せるタイプではない。
「もうすく修理完了しますからお待ち下さい。」
それ…2時間前に聞きました
地下から地上に上がるセリに乗って1メートル上がったまでは良かった。
まさかこの鉄の柵で囲まれた箱の中で閉じ込められるなんて誰が想像付きますか?!
「すみません。副社長までお誘いしたばっかりに」
主任は会場作りをメインに担当してるので副社長は現場確認の為に付いて来たのだろう。
ーー彼が動く時は多額の金銭が動く
この北館は蘇芳が一番最初に出来た場所でも有り海外からの要人や企業のトップが集まる場所でもある。
それは蘇芳の要と言っても過言じゃない。
毎年開催される模擬ウエディングは注目が集まる。
一般のお客様や要人の目に止まるのは必須でグループ会社全体を通してみても得る利益は多額な物になる。
「寺井主任、お客様じゃなくて良かったですよ」
いつもの穏やかな物言いに主任はホッとした表情をした。
「上着を使って下さい」
副社長はスーツのジャケットを脱ぎ私の肩に掛けた。
彼もワイシャツ一枚になる。
「いえ、結構…」
「ダメですよ。女性は冷えたらいけない」
本当に調子狂うくらいの優しさに「ありがとうございます…」と小声でお礼を告げた。
(見る分には良いんだけどな…)
細身に見える身体も“実は脱いだら凄いんです!”と私が言えるわけもなく一晩の事を思い出して顔に熱が…
「なっ…」
副社長の優しかった指先まで思い出して頭を振りつつ声がが出てしまった
「チーフ何かありました?」
「何もありません!」
心配そうに顔を覗く副社長にキッパリと返事をするとまだ上がらないセリの上を見つめた。
ブオーッと言う機械音と共にセリが上がり出し北館1階のエントランスからの光の眩しさに目を閉じた。
結局3時間も閉じ込められ携帯は繋がったので副社長も主任も私も他の社員に指示を出し通常業務は無事に終わらせた。
「副社長!大丈夫ですか?」
副社長付け秘書の丸山さんは駆け寄りここぞとばかり彼の身体を擦る。
「丸山さん大丈夫ですよ」
言葉は優しいけど擦る手を軽く引き剥がして待っていた副社長関係の社員達と話を始めた。
「チーフ、お疲れ様でした。」
「主任も…疲れましたね。ははっ」
力なくお互いに笑い合い私と主任は事務所へ足早に向かった。
「寒い…です」
「暖めましょうか?」
「結構です。まじで」
「このままだと…ミイラに」
「なりませんよ」
模擬ウェディングの為の大がかりな仕掛けの確認に地下へ降りとんでもない事に巻き込まれた。
「副社長も白石チーフも落ち着いて下さい」
11月中旬はもう寒さが身に染みる
一人ぬくぬくとしたぽっちゃり体型の寺井主任はワイシャツ一枚にも関わらず暑いらしくハンカチで額を拭ってる。
「落ち着いてますよ。ふふっ」
最近残業続きでイライラしてるのは事実だがそれを私は人に見せるタイプではない。
「もうすく修理完了しますからお待ち下さい。」
それ…2時間前に聞きました
地下から地上に上がるセリに乗って1メートル上がったまでは良かった。
まさかこの鉄の柵で囲まれた箱の中で閉じ込められるなんて誰が想像付きますか?!
「すみません。副社長までお誘いしたばっかりに」
主任は会場作りをメインに担当してるので副社長は現場確認の為に付いて来たのだろう。
ーー彼が動く時は多額の金銭が動く
この北館は蘇芳が一番最初に出来た場所でも有り海外からの要人や企業のトップが集まる場所でもある。
それは蘇芳の要と言っても過言じゃない。
毎年開催される模擬ウエディングは注目が集まる。
一般のお客様や要人の目に止まるのは必須でグループ会社全体を通してみても得る利益は多額な物になる。
「寺井主任、お客様じゃなくて良かったですよ」
いつもの穏やかな物言いに主任はホッとした表情をした。
「上着を使って下さい」
副社長はスーツのジャケットを脱ぎ私の肩に掛けた。
彼もワイシャツ一枚になる。
「いえ、結構…」
「ダメですよ。女性は冷えたらいけない」
本当に調子狂うくらいの優しさに「ありがとうございます…」と小声でお礼を告げた。
(見る分には良いんだけどな…)
細身に見える身体も“実は脱いだら凄いんです!”と私が言えるわけもなく一晩の事を思い出して顔に熱が…
「なっ…」
副社長の優しかった指先まで思い出して頭を振りつつ声がが出てしまった
「チーフ何かありました?」
「何もありません!」
心配そうに顔を覗く副社長にキッパリと返事をするとまだ上がらないセリの上を見つめた。
ブオーッと言う機械音と共にセリが上がり出し北館1階のエントランスからの光の眩しさに目を閉じた。
結局3時間も閉じ込められ携帯は繋がったので副社長も主任も私も他の社員に指示を出し通常業務は無事に終わらせた。
「副社長!大丈夫ですか?」
副社長付け秘書の丸山さんは駆け寄りここぞとばかり彼の身体を擦る。
「丸山さん大丈夫ですよ」
言葉は優しいけど擦る手を軽く引き剥がして待っていた副社長関係の社員達と話を始めた。
「チーフ、お疲れ様でした。」
「主任も…疲れましたね。ははっ」
力なくお互いに笑い合い私と主任は事務所へ足早に向かった。